日々のつれづれ

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『池江璃花子』炎の祈り

『池江璃花子』炎の祈り


今日は、一人のアスリートとしてそして一人の人間として少しお話させてください。


本当なら、明日の今頃この国立競技場ではTOKYO 2020の開会式が華やかに行われているはずでした。


私も、この大会に出るのが夢でした。オリンピックやパラリンピックはアスリートにとって、特別なものです。


その大きな目標が目の前から、突然消えてしまったことは、アスリートたちにとって、言葉にできないほどの喪失感だったと思います。


私も、白血病という大きな病気をしたから、よく分かります。思っていた未来が、一夜にして、別世界のように変わる。それは、とてもキツい経験でした。


そんな中でも、救いになったのはお医者さん、看護師さんなど、たくさんの医療従事者の方に、支えていただいたことです。身近で見ていていかに大変なお仕事をされているのか、実感しました。しかも今は、コロナという新たな敵とも戦っている。本当に感謝しかありません。ありがとうございます。


2020年という、特別な年を経験したことでスポーツが、決してアスリートだけでできるものではない、ということを学びました。さまざまな人の支えの上に、スポーツは存在する。本当に、そう思います。


今から、1年後。オリンピックやパラリンピックができる世界になっていたら、どんなに素敵だろうと思います。今は、一喜一憂することも多い毎日ですが一日でも早く、平和な日常が戻ってきてほしいと、心から願っています。


スポーツは、人に勇気や、絆をくれるものだと思います。私も闘病中、仲間のアスリートの頑張りにたくさんの力をもらいました。今だって、そうです。練習でみんなに追いつけない。悔しい。そういう思いも含めて、前に進む力になっています。


TOKYO 2020 今日、ここから始まる1年を単なる1年の延期ではなく、「プラス1」と考える。それはとても、未来志向で前向きな考え方だと思いました。もちろん、世の中がこんな大変な時期に、スポーツの話をすること自体、否定的な声があることもよく分かります。ただ、一方で思うのは、逆境からはい上がっていく時には、どうしても、希望の力が必要だということです。希望が、遠くに輝いているからこそ、どんなにつらくても、前を向いて頑張れる。


私の場合、もう一度プールに戻りたい。その一心でつらい治療を乗り越えることができました。世界中のアスリートと、アスリートから勇気をもらっているすべての人のために。一年後の今日、この場所で希望の炎が、輝いていてほしいと思います。


競泳選手 池江璃花子


本日はありがとうございました。





※ この記事の出所は、WEBからのものです。sunspo.comより