『命の神秘』

春に芽生えた
命の断片を摘み
まだ独り立ち出来ぬ
命を摘む

試練を与え
命を目覚めさせる

暗く湿った部屋で
光のない部屋で
命に目覚める時を待つ

干からびた枝には
生気が無く
ただ命の消えていくのを
数え待つように見える

潜在的な
命の強さは

すべてを捨てて
見えないところで
根を育てる

この冷厳な儀式こそが
新な命を目覚めさせる作法

陰湿な世界で
命が再生する瞬間

逞しい命は
困難を糧に
命を蘇らせる

ひ弱な霊長類には
決して成し得ない力

そんな命が恋しい
そんな命が眩しくもある

半年の苦行を越えて
花芽を養う

身震いしたくなる
か弱い命
強い命

ただ、私が注いだものは
すこしの水と
すこしの愛だけ

この苦行の結果が
もう少しで実を結ぶ

あぁ
なんて素晴らしいんだろう
なんて清々しいのだろう

誰にも知られず
何事もなかったかのように

逞しく生きる君に
可憐な命に
強い強いエールをもらった

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　なゆた

※※※

３月に新芽をカットし、育苗した１か月後の姿

半年の時を越えて再生した命の花（マーガレット）直径３０ｃｍの１０号鉢
花芽がついて、もう少しで希望の花が咲く。