日々のつれづれ

詩や日々の出来事を心の趣くがままにUPしています。

『泥に咲く花』

お気に入りのブログに睡蓮の素敵な写真がアップされていました。
今が盛りの花ですね
睡蓮で思い起こされるのは、やはり「モネの睡蓮」でしょうか?


私は、この花を「睡蓮」と言ってみたり「蓮」と言ってみたり、節操のない事甚だしい。
厳密な違いが有るようなのでチョット紹介します。


『「睡蓮」と「蓮」の違いを一目で区別するポイントは花の咲き方。葉とともに水面に
 浮かんでいるような姿で花が咲くのは「睡蓮」。その一方で「蓮」には茎があり、花
 も葉も水面より高い位置にあるのが大きな特徴です。』


だそうです^^


モネの睡蓮



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『泥に咲く花』


生まれながらに
薄暗い地中に命を紡ぐもの
それは宿命なのかも知れない


まだ一度として
燦々と降り注ぐ陽の光を
見たことがないと呟く


何の因果で
じめじめとした冷たい地中に
命を授かったのか


汚泥の中に
住まう事を良しとしない心は
天に向かい手を伸ばし始める


ただ精一杯の
運命に対する反逆
恋焦がれる誰かを求めるように


薄暗い土の底から
首を一つ出すと
生温かい水が心地よく沁みこんでくる


もう少しで
願っても叶わなかった
水のおもてに華をさかせる


水面をキラキラと泳ぐ光の天使たちに
挨拶しながら
憧れとも希望ともつかない高揚感に揺らめいている


何の取り得もないまま
ただ黙々と天を目指した夢が
すぐそこにある


大きく深呼吸をし
緑の葉を精一杯広げ
命の高まりを吸い込んでいく


水面に葉を漂わせ
音もなく
薄紅の華を広げる


その出来事を
見つめていたのは
ただ静寂だけだった


夢は願うもの
夢は叶うもの
夢は自らの手で掴むもの


そう諭すように
ただ、うらら
華は自慢げに咲き誇っている


                     なゆた