『賢者の贈り物』
クリスマスが近づくと毎年の様に思い出す短編小説があります。
年若くして経済的にも恵まれない夫婦のクリスマスイブのお話。
中島美嘉の雪の華に、「誰かのために何かをしたいと思えるのが愛と言うことを知った」
とあります。
今日は「賢者の贈り物」と「雪の華」を皆様へのクリスマスプレゼントとして贈ります。
『賢者の贈り物』はアメリカの小説家であるオー・ヘンリーが、1905年に発表した短編
小説であり、彼の代表作として知られる作品です。
新約聖書のエピソードを下敷きにして書かれた作品で、クリスマス劇の演目として人気が
高い作品です。
夫婦が互いにプレゼントを贈る際に起こした行き違いを描いており、とても心温まる結末
になっています。
「あらすじ」
アメリカに、ジェームズ・ディリンガム・ヤング夫妻という貧しい夫婦が住んでいた。
収入は週に20ドル。クリスマスが間近に迫っているのに1ドル87セントしか残っていな
かった。
妻の呟き
「 人生は、わあわあ泣くのと、しくしく泣くのと、微笑みとでできており、
しかも、しくしく泣くのが大部分を占めていると思えた」
この少ないお金を元手に、なんとかお互いにプレゼントを買えないものか、と夫婦は
考えていた。夫のジムは父からジムへと受け継いだ金時計を持っていた。
また、妻のデラの自慢の長い髪の毛、それらは夫妻のささやかでは有るが「誇るべき
2つのもの」であった。
だが、愚かにもこの二人はクリスマスプレゼントを買うお金をつくるために、ジムは
金時計を質屋へ、デラは美しい髪の毛を商人に売り渡してしまう。
デラの呟き
「神さま。 どうかジムがわたしのことを今でもかわいいと思ってくれますように」
「誇るべき2つのもの」を手放して手に入れたお金で、ジムはデラが欲しがっていた
鼈甲の櫛、デラは金時計につけるプラチナの鎖を買ってしまう。
「髪を切って、売っちゃったの」とデラは言う。 「それでも、わたしのこと、変わらず
に好きでいてくれるわよね。 髪がなくても、わたしはわたし、よね?」
「売っちゃったの。だから、—— 売っちゃったからなくなったのよ。 ねえ、クリスマス
イブでしょ。 優しくして。
髪が髪がなくなったのは、あなたのためなのよ。 たぶん、わたしの髪の毛の一本一本
まで神様には数えられているでしょうね」
デラは急に真面目になり、優しく続けました。
「でも、わたしがあなたをどれだけ愛しているかは、誰にもはかることはできないわ。
チョップをかけてもいい、ジム?」
ジムはオーバーのポケットから包みを取り出すと、 テーブルに出しました。
「ねえデラ、僕のことを勘違いしないで。 髪型とか肌剃とかシャンプーとか、そんな
もので僕のかわいい人を嫌いになったりするもんか。
でも、その包みを開けたら、どうして僕があんな風だったかわかると思うよ」
白い指がすばやく紐をちぎり紙を破りました。 そして歓喜の叫びが上がり、
それから、ああ、 ヒステリックな涙と嘆きへと女性らしくすぐさま変わっていったの
です。
包みの中には櫛が入っていたのです —— セットになった櫛で、
横と後ろに刺すようになっているものでした。
その櫛のセットは、 デラがブロードウェイのお店の窓で、長い間穴が開くほどに眺めて
いたものでした。
しかし、プレゼントした時にはすでにジムの時計はなく、デラには櫛で留める美しい髪の
毛がなかった、お互いのプレゼントは無駄で残念なものになってしまう。
「ねえデラ。僕たちのクリスマスプレゼントは、しばらくの間、どこかにしまっておく
ことにしようよ」と、ジムは言った。
二人は、「誇るべき2つのもの」の代わりに、人生において掛け替えのない宝物を手に
入れた。それはお互いを思いやる心の贈り物だったのです。
ささやかでは有るが最も「誇るべき2つのもの」を、感情に任せてふとしたことで台無し
にしたのかも知れない。
この若く貧しい夫婦を愚か者と笑い飛ばせる人が果たしているのだろうか。
しかし、物語の最後で作者は次のように締めくくっている。
贈り物をするすべての人の中で、この二人が最も賢明だった。 贈り物をやりとりする
すべての人の中で、この二人のような人たちこそ、最も賢い人たちなのです。・・・と
短編なので以下の日本語翻訳された短編をお読み頂くことをお勧めします。
拙い私のあらすじでは、分からない部分が多々あります。
きっと感動するのではないかと思います。
朗読も有ります。
『賢者の贈り物』作:オー・ヘンリー 朗読:窪田等
中島美嘉 - 雪の華 / THE FIRST TAKE
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