日々のつれづれ

詩や日々の出来事を心の趣くがままにUPしています。

『風の忘れ物』

『風の忘れ物』


君はいつも不安で自信がなくて
うずくまって一歩も進めないでいた


茫然と遠くを見ていた
背中で泣いていたことも有った


辛くて淋しくて
すがるものが欲しくて
わざと陽気に振る舞っていた


雑踏が孤独の棲家だということも
道化師の気持ちもよくわかった


苦虫を噛み潰して
肩肘張って生きてきたこと


心にバリアを貼って
誰も入れないようにしてきたこと


裏切られるのが怖くて
心を許せなかったこと


一人でも生きられると信じていたこと



ありのままを許せない君


裏切り裏切られ
嫉妬し憎み


愛し愛され
慈しみ許し


すべてを
ありのままに受けいれられていたなら
まだここに居たのだろうか。


                  なゆた



[テルーの唄 ] 手嶌葵