日々のつれづれ

詩や日々の出来事を心の趣くがままにUPしています。

『待ち焦がれる景色』

『待ち焦がれる景色』


目を閉じて
こころを澄ましてみてごらん


風にそよぐ木々の語らい
わくらばのささくれ泣く音
頭を垂れた黄金色の稲穂
落日にそよぐススキの穂
海辺の人影ない静けさ
色づく野山の風景  
ほの暗い夕暮れ


何の変哲もない秋がまた訪れる


年輪を重ねる毎に
恋しい人を待つように
この季節に憧れている


枯れることを
悲しいと思ったのは
若かった頃の幻想


穏やかにただ過ぎていく
時間が愛おしい
焼き尽くす破壊的な情熱よりも
染み込むような時の流れが嬉しい


そんな言葉がぴったりの秋を待ち焦がれている。


                        なゆた