『過去形で話す人』

話すことはいつも過去形

「あの時は、楽しかったな〜」

「あんなに、幸せだったのに・・・」

「あの頃に戻りたい・・・」

その言葉を聞くたびに

いつも悲しくなった

過去に縛られて

一歩も前に踏み出せないでいる

何がそれほどまでに頑なにしてしまったのか

疑うことよりも

信じることを喜べばいいのに

無くしたものを惜しむよりも

貰ったものを数えてみればいいのに

愛され溺れること捨て

愛することを奏でればいいのに

曇り硝子で今は何も見えないけれど

夢が無いとつぶやく前に

明日が見えないと涙する前に

どれだけの愛を貰ってきたかを

思い出して欲しい

あなたが微笑み

明日を夢見

希望に満ちて

愛をもたらす人となることを願っている

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　なゆた