日々のつれづれ

詩や日々の出来事を心の趣くがままにUPしています。

『道すがらの友』

宵の明星が輝き
その頬笑みが
労いの言葉に思える頃
今日も平和な一日が終わる


若い頃
平坦な道を歩むに飽き
荊の路を愛し
振り子時計のような
単調で退屈な日々を呪った


命の律動こそが生きる事と
あたりかまわず
無作為に本を読んだ
そして希望と云う頸木をわが身に背負う


順境の時
平凡がつまらないと迷路をさ迷い
派手な色を好み
穏やかな色を嫌悪したものだ


逆境の時
自分の生まれを憎み
運命という幻想に振り回され
疲れ果て眠りについた


目覚めると
いつもと何も変わらぬ空間に
また打ちのめされる
ただそんな繰り返しだった



今になって思うことは
振り子時計が
単調な時を刻むことが
快くもある


今なら
まんまるい器に
喜怒哀楽を浮かべて
悠々と羽を伸ばして飛んでいけたのに


長い道のり
誰かに助けられ
そして励まされ
ここまで来れたことに気付く


誰に感謝すればいいのか
何をお返しすればいいのか
そんな事を考えながら
道すがらの友を今も求めている


                   なゆた