『見えないもの』

目に見えないものは
疑心暗鬼を生み

懐疑心の中で
消えていくものなのかも知れない

だけど
見えないものを信じて生きている

それを捨てた時
人は人としての生き様を失うのでしょう

風は誰にも見えないけれど
木々を揺さぶる力を持ち

言葉はかたちをもたないけれど
人のこころを揺り動かせる

見えない曖昧なものを
拠り所にして生きている

人に裏切られて
何度闇から這い上がってきただろう

辛酸をなめて来たことを
忘れた訳じゃない

信じる以外道がなかっただけ

一日を終える頃
ゆっくりとその日を振り返ってみる

今日は、どんな日だった・・・?

心の目と耳がゆっくりと目覚め
本当のことに気づく時間

すべてのことを見渡す頃

ジグソーパズルを一枚づつ並べ
埋まらない模様が残る

プライドとか意地とかを捨てたら
簡単に出来上がるはずなのに・・・

こころを閉ざす事が
穏やかに過す事だと信じていたのに

閉ざしてしまえば
どんな言葉も届きはしない

溜息と落胆が支配し
信じることが難しい事とは予想もしなかった

そして
信じることがこんなにも辛い事だとは思いもしなかった

傷口に塩を塗るような
苦痛はもう懲り懲りだ

そう思っていたのに
明日も希望をだれかに繋いでいく

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　なゆた