『縁起担ぎ』
『縁起担ぎ』
関東圏に住んでもう四十数年を過ぎました。
会話も、もう十分関東人で標準語である。
実家の大阪に帰ると、ちょっと違和感を感じたりする。
私が感じるんじゃ無くて、友人や家族がである・・・。
たとえば、
「だけどね」って言葉に皆が引いてしまう。。。
だけどって、なんやねん
お前はおかま言葉使う顔か・・と笑われる。
確かに私が生まれたところでは、
「そやけど」だわな。
そんなことを思いながら、2、3日すると泉州言葉に戻る。
順応性が高いのであろう。
だれも褒めてくれないので。。自分でそう囁く。
関東に住むようになって、文化的に関西と違う事に気付く。
関西は、商人の街。
関東は、どちらかと言うと武家社会の延長であろうか。
もっとも、文化を反映するものは食文化や言葉である。
つらつら考えてみて・・・ちょっと、面白い事に気が付いた。
関東は、言葉に結構縁起を担ぐこと。
例を挙げると歴然である。
今では、標準語のように扱われる言葉かもしれないが
冗談のような言葉の進化がそこにはある。
関東では、お祝いの時、縁起の悪い言葉を避けることから
「梨⇒無し⇒有り⇒有りの実」 と変わっていった
飲み屋に行くと、スルメのことをあたりめと呼んだりする
これも、面白い連想ゲーム風
「スルメ⇒摩る⇒負ける⇒当たる⇒あたりめ」
動物でも、縁起の悪い事を連想させるものは別の名を使ったりする
「猿⇒去る⇒得る⇒えてこう」
他にも、色々な地方で使われる言葉に
すり鉢⇒あたり鉢
ふぐ⇒不具⇒福⇒ふく
塩⇒死を連想⇒波の花
醤油⇒死を連想⇒むらさき
刺身⇒刺す身を連想(切腹)⇒お造り
おしまい⇒終わりを連想⇒お開き
葦(あし)⇒悪し⇒善し⇒よし
多くは、語呂合わせで悪い印象からいい印象に替えるところなんか、
日本人のきめ細やかな心情を表すようで嬉しくなってしまう。。。
「こんな、面白い日本人を私は好きだ。
そして日本人であることを誇りにも思う」
なゆた
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