日々のつれづれ

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『虚虚実実』

『孫子の兵法』は最古にして最強の兵法書。
今から2500年ほど前に書かれた古典の十三篇中の「虚実篇」の一文に
「兵の形は実を避けて虚を撃つ」とあり、この一文が「虚虚実実」の言葉の由来となる。


「実」は中身が満ちているということから守りが堅いこと、
「虚」は中身がないことから備えに隙があることを表し、
備えが薄いところを狙って攻撃するという意味になります。


戦いにおいては、相手の強みや弱みを徹底的に研究し、
弱みに戦力を集中して突き崩すことが必要ですが、当然ながら敵もこちらのことを研究しています。
策略や謀略の限りを尽くして敵の裏の裏をかき、相手をうまく出し抜かなければ、自分が先にやられてしまうかもしれません。
そのような背景から「虚虚実実」という言葉は誕生したと言われています。


FAKEかFACTか?



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『虚虚実実は蜜の味』


瞳を閉じると
見えないものが
霞んだ世界が
つまびらかに見えてくる


網膜に映る虚像を
真実といい
心に映し出された実像を
虚構と呼んだりする


虚構とは
人が創り出した
もっとも優れた創作
心に活路を開く言葉


現実なんて
すべてを放棄した者の口実
真実なんて
ちっぽけな物差しでしか
測ることの出来ない心の距離


愛とは
偽りを身に纏い
饒舌を演技する男優の
最上級の夢


虚々実々
どこに誠実が有り
どこに背信が有るとも
心のうちに造られた偶像のなせる業


求め合う者には
真実も虚像も
実像も虚構も
愛でるための前戯であり
濃厚な蜜の味がするものである


                                                                  なゆた