ワーズワース 『Intimations of Immortality』不死の暗示
『Intimations of Immortality』不死の暗示
幼年時代を追想して不死を知る頌(しょう)
我らの誕生はただ眠りと前生の忘却とに過ぎず。
我らとともに昇りし魂、生命の星は、
かつて何処かに沈みて、
遙より来れリ。
過ぎ去りし昔を忘れしにはあらず、
また赤裸にて来たりしにもあらず、
栄光の雲を曳きつつ、
われらの故郷なる神のもとより来りぬ。
我ら幼(いと)けなきとき、天国はわれらのめぐりにありき。
やがて牢獄の影は、
老い立ち行く少年の上に蔽いかかる。
されど少年は光明を見つめ、その源を知り、
よろこびもて見守る。
若人は日々に東方の空より遠く旅すれど、
なお自然の祭司にて美しき幻影に
道すがら伴わる。
ついに大人となれば、幻影は消えて、
やがて尋常の日の光の中に溶け込む。
William Wordsworth 1770~1850
田部重吉 訳
なゆた
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