日々のつれづれ

詩や日々の出来事を心の趣くがままにUPしています。

『名優』

『名優』


瞳を閉じると
見えないものが霞んだ世界が
つまびらかに見えてくる


人は
網膜に映る虚像を
真実といい


心に映し出された実像を
偽りと呼んだりする



真実なんて
すべてを放棄した者の言い訳


偽りなんて
ちっぽけな物差しでしか
測ることの出来ない心の距離



虚像とは
人が創り出した
もっとも優れた創作
心に活路を開く言葉


実像とは
偽りを身に纏い
饒舌な男優の演技する
最上級のセリフ



虚々実々
どこに虚が有り
どこに実が有ると言うのか
虚は実を内包し
実は虚の同心円状にある


すべて
心のうちで造られた
偶像のなせる業


求め合う者には
真実も偽りも
実像も虚像も


すべて
愛のための前戯であり
蜜の味がするものである



※昔、書いた詩をリメークしてみました。


                    なゆた