日々のつれづれ

詩や日々の出来事を心の趣くがままにUPしています。

『ただ花は咲く』

『ただ花は咲く』


花の種は
人知れず
地に落ち
花を咲かせる


ただ
生きて
花を散らし
実を結ぶ


ただ
それだけの事



季節を越え
秋は趣をあらわし
もう少しで
木枯らしの頃となる



一陣の風が
花弁を揺らせ
落ちてさえ
彩りを失わぬモノたち


命の限りを尽くして
朽ち果てるモノの
何と美しいことか


瞬く間に日は翳り
謳歌したメロディーも
声をひそめ
冬の時代を予見させる



地が凍る頃しか
育たぬ花が有り
踏まれてしか
育つ花が有る


時はめぐり
四季折々の花は
困難を糧とし
命をはぐくみ育てる


まるで
悲喜こもごもの
人の一生を
ただ笑うかのように


                  なゆた