日々のつれづれ

詩や日々の出来事を心の趣くがままにUPしています。

『ある秋の日』

『ある秋の日』


周囲の空気が体温を奪い
何とも鬱陶しい気分になる


こんな時は
少し温めの温泉がいい


しっかりと
肩までつかって
大きく息を吐く


身体から
余計なものが抜け出して
すべてが元通りになっていく



考えるだけで
出来ないと決めつけたこと
何もしないで
時だけが過ぎていったこと


ああでもない
こうでもないと
思い悩んでいたこと


全部ご破算にして
嘘のように無くなっていく



人も自然のなかの生物
寒さに凍える命も
凍てつく地に根を下ろす命も有る


千差万別の命
何が正しいとか
何が誤りだとか
浅智慧では計り知れぬもの


すべての事には
すべての営みには
時という印が刻まれている


密やかに
計画が時をむすび
深い予定調和の流れを形作っていく


最後のひと葉が
教えてくれるもの
それは
誰にもある黄昏の頃


                    なゆた




秋の歌① 柿の実色した水曜日/細坪基佳