日々のつれづれ

詩や日々の出来事を心の趣くがままにUPしています。

『月齢』

『月齢』


今夜の月は
糸のように細く
消えた夢を忘れないでと囁いている


夢みる時代は
とうに過ぎたのに
ささやかな希望を繋いで


過ぎていく時代に
取り残されて
それでも希望を忘れないでいたい



真夏の夜の夢は
もう忘れてしまった


輝いていた頃は
とうに過ぎたはずなのに
心の残り火がせかせる


あの頃は
なにも怖いものなどなかった


心躍らせ
希望にあふれた
あの頃には戻れない



この蝋燭の火が
消えるまで


すこしの
夢を取り戻す為に
これからも歩き続けていたい


                     なゆた




夕張川 / 鈴木 一平