日々のつれづれ

詩や日々の出来事を心の趣くがままにUPしています。

『おぼろげの月』

『おぼろげの月』


月夜に咲くはおぼろの花
焼き尽くす情念を蒼くたたえ
穏やかに光を放つ


無邪気には愛せぬと
ささくれた心が
儚い夢に胸を焦がしてゆく


君よ、降り注ぐ光となり
窓辺に来たりて愛を奏でたまえ
はらはらと散る言の葉
至高の淡き時は
そこはかと静寂をきそう



叶わぬものは
天帝の怒りのゆえに
天に幽閉されし
牽牛と織女


命を削る恋を
今宵だけはと許しを乞う


三界を俯瞰し臨めば
仮そめの愛にあらずと囁く


               なゆた