日々のつれづれ

詩や日々の出来事を心の趣くがままにUPしています。

花街のしきたり

昔、「京都花街の経営学」という一風変わった講演が有った。
「花街」と「経営学」と言う一見して接点の見つけにくいところに切り込んだ内容に
是非とも聞いてみたい思った。
それも、講演する学者さんは女性とのこと。興味津々である。
キャッチコピーとしては秀逸だと思う。


それで
異才を放つ女性の講演を聞くことに・・・。


※※※
花街とは:記事はちょっと古いが・・・。
三味線、舞などの芸とおもてなしのプロである芸舞妓が住み、仕事場のお茶屋がある街。京都では、上七軒(かみしちけん)、祇園甲部(ぎおんこうぶ)、祇園東(ぎおんひがし)、先斗町(ぽんとちょう)、宮川町(みやがわちょう)を総称して「五花街(ごかがい)」と呼ぶ。お茶屋はお座敷を貸し、芸舞妓を呼んで宴(うたげ)を演出する場。舞妓は20歳ぐらいまでで、芸妓になると、着物の袖は短く、日本髪のカツラをつける。五花街には芸妓192人、舞妓73人(5月末現在)がいる。
(2012-06-30 朝日新聞 夕刊 1総合)
※※※



講師:西尾久美子 京都女子大学現代社会学部 当時准教授


一般企業に勤めた後、神戸大学の経営学の博士課程で大学院(経営学専攻)の博士論文のテーマとして「京都花街」を選び、足掛け5年をかけて論文を完成されています。
今では、京都女子大の教授をされている方だそうです。


講演の内容は
「京都花街の経営学 〜伝統に学ぶ人材育成の極意」という
風変わりなお話でした。


最初は、京都の御茶屋さんの話から始まり、庶民がなかなか
その中身を知らないような話
興味深くて、時間を忘れて聞き入っていました。


面白かったことを、幾つか書いてみようと思う。


まず、「一見さんお断り」について
お茶屋さんに、初めて行く時に飛び込みで入っても入れてもらえないという事で、誰かの紹介がないと入れないと言うシステムです。
やんわりと
「すんまへん。今日はいっぱいなんどず」とか
「どなたはんのご紹介どすか」とか
紹介者が居ないとダメってことを言われるそうです。


最初は、京都の閉鎖的な文化がよそ者を嫌う為かと勝手に考えていたのですが


彼女曰く
こういう事だそうです。(まず、最初の発見というか驚き)
それは、クオリティーコントロールだと言う。
決して、お金を沢山持った方だけのシステムではなく、お茶屋さんにはメニューが無くお客様の嗜好が判らないとサービスが出来ないという事らしい


「お酒は何が好き」
「肉は太り気味で抑えている」
「楽しい会話が好き」
「好みのタイプ」とかを
リサーチした後でないとサービスしない、出来ないという事なんだそうです。


顧客本位なんでしょう。
・・・・・言われてみればもっともな話
なるほどな〜と  まずは関心


次に、「衣装でわかる経歴年数」これも興味深く聞きました。


まず、髪型 新人さんは、髪の真ん中にかんざしをしたヘヤースタイル
着物の衿は赤いシルクの生地に赤や銀糸の刺繍
この刺繍が経歴によって変わるらしい・・・・なるほど、なるほど


年齢が上がっていくにつれて、着物の衿赤から白に変わっていく


また、紋付若い舞妓さんには両方の肩に柄があるそうです
中堅になると、片側だけ、経験豊富な舞妓さんには柄が無くなる
・・・・面白いな〜


唇の紅にも、仕掛けがあるらしく 下唇だけ紅をさしているのはまだ、新米で 
上、下に紅がさされている舞妓さんは熟練している
・・・・こんな仕掛けがあったんだ。。驚き


なぜ、そんなことをするのかにも智恵があるらしい


舞妓さんは、大きなお座敷では色々な置屋さんから突然呼び出され
顔も知らない芸者さんたちを、一人のリーダーが束ねる
その時、どの人が経歴が有り任せて大丈夫か即座に判る仕組みだと
聞いて・・・凄すぎ。驚愕


話はまだまだ続いて、とても書ききれないほど
時間の過ぎるのが早かったこと


舞妓さんの教育についても、面白い話を沢山伺った
その中で
芸子さんの名前
「豆奴」「豆千代」とか言う名前にもある秘密が隠されているとか


書ききれないので、また 気が向いたらにします。


日本文化に密接に繋がる伝統文化の深さ、面白さを知る事が出来て得した感じでした。。。


そんな京都にも、イノベーションの変化が支えるダイナミズムなんて意味不明?な話も有りました。
時代の変化に合わせて、花街もその形を替えているって話も興味深かった。 


知らないと知らないまま終わっていた事にも、色々な工夫や技が有るんだな〜と
セミナーに参加して、良かったと思いました。。。。。


男性の方々、もし祗園に行かれた折には私の言葉を思い出せば
少しは役に立つと思いますよ。
                         なゆた