日々のつれづれ

詩や日々の出来事を心の趣くがままにUPしています。

『俯瞰(ふかん)する世界』

『俯瞰(ふかん)する世界』


遥か彼方に
見える山並み


眺めれば
うっすら霞に
山と空とが重なる稜線


入り混じる
深き碧は
時空を別つ分水嶺



浮き立つ景色絵に
目を凝らせば


森の中の
陰りの先の
ほの暗き祠(ほこら)


崩れ際の傍らの
老木の梢に
一枝の鳥巣


頑是無い雛鳥の
瞳の奥の虹彩の紋様に
広大な拡がりを観る


水晶体の濁りには
荒涼と続く
遠き深き銀河が見える


その先には
太陽系が見え
母なる瑠璃色の地球


水に包まれた楽園
我らが住む地が俯瞰できる



もっとも
小さき雛の眼の虹彩の内に
閉ざされた世界


解けない謎は
繰り返される宇宙の創生
限りなく続くメビウスの輪


                 なゆた



※※※


 雄大な自然を眺めながら、ゆっくりとその焦点を最も小さきものへと移していく。
 その最も小さき雛の虹彩の模様の中に、永遠に広がる宇宙が見えてくる。
 そして異次元の入り口(雛の虹彩)から時空を超えて、再び我らの瑠璃色の地球へ
 と戻ってくる。宇宙はまるでメビウスの輪。


 そんな不思議な物語。。。