日々のつれづれ

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『恩讐の彼方に』夢アルバム⑲

『恩讐の彼方に』


償い


長い人生いきてきて


何度、償わねばならないことを繰り返ししてきたことか


長く生きることは、恥を重ねること


償いきれるはずもない思いを今も抱え込んでいる


人間って哀しいね


だってみんなやさしい


それが傷つけあって かばいあって


みんなみんなやさしい



救われた思いでこの曲を聴いています
※さだまさしさんの曲は、結構長いので有名。最後まで聴いて頂ければ嬉しいです。

SAB821 償い さだまさし (1982)190519 vL FC HD


すべて『恩讐の彼方に』と願う


※※※


さだまさしの歌う「償い」の内容は実話を元に作られた


こんなに哀しい話は現実にあっていいものかと考えてしまいますが、「償い」の内容は実際にさだまさしさんの知人に起こった実話なんです。


この歌が世に出た1982年のことで、彼の知人女性の夫が定年を迎え、夫婦静かに暮らしていこうとしていた最中、夫は交通事故で命を落としてしまいます。
加害者の男性を女性は酷く罵り、加害者は床に額を押し付けながらそれを聞いていたそうです。


「償い」の内容とほとんど一致します。
さだまさしさんは、この実話を受けてすぐに作曲・作詞に取り組んだとのことで、この時点では歌のように7年間の償いの末のエピソードは存在しません。


さだまさしさんは実話に7年の月日をかけて、そこに人間の優しさを付け加えることで、エピソードの登場人物の悲哀を希望的に描写しています。


決して哀しいだけの歌で終わらせないところに、詩として昇華させるだけの芸術性を感じさせます。


※※※※※※


「償い」を引用して異例の説論をした山室惠裁判官の話


2001年のことです。東京都の某駅のホームにおいて、4人の少年が40代銀行員の男性に対し4人がかりで暴行を加え、くも膜下出血で死亡させるという事件がありました。
そして、翌年2002年2月19日、東京地裁において判決公判が行われ、少年2人に対して、懲役3 - 5年の不定期刑の実刑判決が下された。


判決理由を述べあげた後、山室惠裁判長は被告人2人に対し
「唐突だが、君たちはさだまさしの『償い』という唄を聴いたことがあるだろうか」
と切り出し、
「この歌のせめて歌詞だけでも読めば、なぜ君たちの反省の弁が人の心を打たないか分かるだろう」
と説諭を行った。
裁判官が具体的に唄の題名を述べて被告を諭すことは異例のことであり、「償い説諭」はマスコミに取り上げられ話題となった。
 
さだまさしさんは新聞社の取材に対して、
「法律で心を裁くには限界がある。今回、実刑判決で決着がついたのではなく、心の部分の反省を促したのではないでしょうか」
とコメントしたうえで、
「この歌の若者は命がけで謝罪したんです。人の命を奪ったことに対する誠実な謝罪こそ大切。裁判長はそのことを2人に訴えたかったのでは」
と述べた。 




                           なゆた