『新しい翼』

安易な人生を送りたいなら
冒険しないがいい

人付き合いが嫌なら
竹林に住めばいい

弱いものは群れ
自らの弱さに埋没していく

それが安全だと錯覚して

弱さの故に
蟻や鰯は群れをなすのは身を守る方便

器の中で同じ価値を共有しながら
物ごころつくまで庇護を受け

新しい発想が出来ず
価値観の異なるものを排斥する

群れだけが全知全能
外は嵐すさぶ大海

ひだまりから
勇気を出して船を漕ぎだす

風が吹けば
一溜まりもないひ弱な船

嵐を恐れて
ただうずくまるだけ

孤独が怖くて
ただうずくまるだけ

誰のためでもない
夢へと向かい船を漕ぎだす

そう決めた時から
誇りは捨てない

日に焼けたたくましい魂と
出逢うまで

いつかはめぐり逢う
その時まで

裸の弱さと向き合う
強さに出逢う時まで

答えを急いで
遠回りばかりの旅だけど

僕が選んだ道
決して諦めたりはしない

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　なゆた

この歳になって、こんな旅に出ようとは思いもしなかった。
人生は、奇妙でそれでいて楽しいものだとは。