日々のつれづれ

詩や日々の出来事を心の趣くがままにUPしています。

『十六夜の月』

『十六夜(いざよい)の月』


いざよいは


ためらい月


少し遅れてあゆむ


君のよう



少しずつ翳りゆく


恋の切なさ


何気ない仕草にも


別れの予感



言葉よりも


確かなものが有るなら


もう一度強く抱きしめて


疑うことを忘れたい



笑顔の蔭に隠した


別れの言葉


移り行く人の心を


留めることかなわず



ただ


おぼろげな月だけが


乾いたなみだを


見届けていた


                    なゆた



鬼束ちひろ - 月光