『時の移ろい』

時の移ろいに
四季の変化があるように
色とりどりに変りゆく想い

色褪せぬものなど
有りはしないのに･･･

チューリップは
寒い冬の間
球根の中で花芽を育てる
少しの暖かさにふれた時
目覚め根を下ろしていく
寒さが無いと育たない花
そんな不思議に眼を細める

そうだね、季節に磨かれて成長する

亀は
寒い冬を感じると
少しづく動きが鈍くなり
最後には石のように動かなくなる
冬に抗うことなく
ゆっくりと命の火を細くしていく

そうだね、季節に逆らわずに生きている

人にも
心の四季がある
無理して元気を装う季節が有り
重みにひしがれる季節が有る
じっとしている季節が有る
春風が吹いて辺りがにぎやかになる
心が軽くなる季節まで
ゆっくりと命の火を絶やさないでいればいい

そうだね、見えない季節に吹かれていればいい

かけがえのない命
この時を
この季節を
くぐり抜けていこう

やがては
移ろいの中で天に輝く
美しい星となるのだから

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　なゆた

心に響く名曲「いのちの歌」竹内まりや