日々のつれづれ

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ちょっと小話3(縁起を担ぐ言葉)

謹んで新年のお祝いを申し上げます


昨年は何かとお世話になりまして、ありがとうございました。
おかげさまで良き新年を迎えることができました。
本年も昨年同様よろしくお願い申し上げます。
皆様のご健康とご多幸を心よりお祈りいたします。


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今日は、正月にふさわしい縁起担ぎ言葉をご紹介します。


日本では「言霊」といって、声に出した言葉には霊的な力が宿ると信じられ、良い言葉を口にすれば良い事が、悪い言葉を口にすれば悪い事が起こるとされています。


そこで、これから紹介するような言葉が生まれたとやら・・・。
日本語っておもしろいです^^



⇒有りの実


果物の「梨」は「なし=無し(失う)・亡し(死ぬ)」につながって縁起が悪いので、
逆の「あり」という語を用いて「ありの実」と呼びますね。


スルメ⇒あたりめ


スルメのことを、「する(ギャンブルで外れる)」を「当たる」に変えて、あたりめと呼んだりもしますよね。


⇒えて(公)


「猿」は「さる=去る(失う)」につながって縁起が悪いので、
逆の「得る(手に入れる)」という語を用いて「得手(えて)=得る人」と呼ぶのです。


(あし)⇒葦(よし)


アシは、「悪し」と同じ音になり、縁起が悪いので、昔の人が逆の意味の「良し」という音を当てたそうです。
昔の人が言葉を生き物だと思い、悪い言葉を避けていたことの名残だと思います。


お刺身⇒お造り


昔の武家社会では「切る」という言葉の縁起の悪さを忌み嫌っていました。なので、関東では「切り身」より「刺身」が使われるようになったのです。それに対して、関西では魚を切ることを「つくる(作る、造る)」と昔から表現しており、そこから「お造り」と呼ばれるようになったそう。


関東と関西で呼び名が違うのは、武家社会がきっかけだったんですね。


おから⇒卯の花


和食の世界では、本来の食材の呼び名ではなく、別の名前で呼ぶケースがあります。そのひとつがおからですね。おからの"から"が"からっぽ"に繋がるのを嫌い、卯の花という別名が付けられたといわれています。卯の花という名前は白いウツギの花にたとえて付けられたようです。


ふぐ(河豚)⇒ふく


山口県ではふぐのことを『ふく』と呼びます。
この由来は、福として縁起をかつぐというのが有名なんですが、『ふぐ』という音の響きから連想される、『不具』とか『不遇』というような縁起のよくない言葉を避けるためだとも言われているんですよね。


私なんかは、美味けりゃいいじゃん!
と思ってしまいますが・・・。 (笑)



※※※


縁起担ぎだけではなく、歴史的な背景から名を変えた食物もあります。
日本の言葉は、言霊と言う言葉がピッタリの文化なんだな~と改めて感じます。


肉に別称が付けられた訳


肉に別称が付けられたのは、今から約340年近く前。江戸時代前期まで遡る。江戸幕府第5代将軍・徳川綱吉によって施行された『生類憐みの令』により、生き物を食べることが禁忌と見なされるようになった。
犬や猫が特別な寵愛を受けたと知られているが、保護対象は鳥・魚・昆虫など多岐にわたり、もちろんそれまで食用として扱われていた家畜や野生の鳥獣の殺生も禁止された。
禁令の徹底と処罰が厳しさを増すなかで、町民たちが苦肉の策として始めたことが、肉に別の名前を付けて認識を変えること。


鶏肉⇒かしわ
鶏肉がかしわと呼ばれる理由は、柏の葉にあると言われている。毎年5月、端午の節句で食べられている柏餅を包んでいる葉が、柏の若葉である。若葉は鮮やかな緑色をしているが、時期によっては葉は少し暗い茶色。茶色の葉と鶏肉の色味が似ていることから、鶏肉にかしわという隠語が付けられたという。特に関西地方で使われる言葉。


馬肉⇒さくら
馬肉がさくらと呼ばれる理由にはさまざまな説がある。最も信憑性が高いといわれる説が、新鮮な馬肉が桜色であること。捌いてすぐの馬肉は、鶏肉や猪肉と比較して赤色が薄く、淡い桜色をしている。これが馬肉はさくらと呼ばれるようになった所以であるとされる。


しかしこの説には、いささか疑問も残る。現代ほどの保存技術が確立されていなかった江戸時代、変色スピードがはやい馬肉はそもそも桜色である時間が極端に短い。この疑問から、一説では「馬が餌を沢山食べて冬を越しているため、春の馬肉は脂が乗っておいしいからである」という旬説も囁かれている。


鹿肉⇒もみじ
鹿肉がもみじと呼ばれる理由は、「花札説」が有力である。花札には1月から12月まで4枚ずつ季節毎の花が描かれており、10月の花札の絵柄は紅葉。そして紅葉と一緒に描かれている動物が鹿であるため、鹿肉をもみじと呼ぶようになったとされている。江戸時代は鹿鍋が町民たちの間でも人気を博し、専門店も多く立ち並んでいた。店を営む者たちは店頭に「紅葉鍋」と書いた看板をかかげ、堂々と営業していたといわれる。


猪肉⇒ぼたん
猪肉がぼたんと呼ばれる理由は、猪肉が濃い紅色であるため。紅色のためぼたんと呼ばれたことが語源となっているとされる。しかし、江戸時代はぼたんよりも「山鯨」という隠語が一般的であった。当時は鯨を食用として捕らえていたため、この隠語が付けられたとされている。


いずれにしても日本人の遊び心を感じます、日本語って凄い言葉なんですね。。。


                         なゆた