日々のつれづれ

詩や日々の出来事を心の趣くがままにUPしています。

『泥に咲く花』2021

もう少しで、「muragon」でブログを書き始めて1年になります。
どうしていいのか判らないまま始めたブログ・・・。


心の内を言葉で表すことは、とても難しい


私流に、詩という表現手段でブログを始めました。
稚拙な詩では有りますが、思う所を誰かに知ってもらいたいとの一念だった気がします。


コメントはおろか、読まれる事もなかった詩に、もう一度光を当てたい。。。
そんな気持ちから、2021リニューアルで詩を少しだけアップさせてください。



それと、ちょっと自慢させてください。
花好きの仲間たちと「地域花壇」を運営していますが、市の花壇コンクールで
市長賞をいただきました。去年から二期連続、創設16年で6度目の受賞でした。




※※※


『泥に咲く花』


生まれながらに
地中に命を宿すもの
人はそれを簡単に運命と名付ける


何の因果で
じめじめとした冷たい地に
命を授かったのか


一度として
降り注ぐ陽の光を
見たことがない



ちり芥の中に
住まう事を良しとしない心は
上に向かい
手を伸ばし始める


精一杯の
運命に対する反逆
焦がれる何かを求めるように



薄暗い土の底から
首を一つ持たげて
生温かい水が心地よく沁みこんでくる


生きている事を
はじめてつかみ取った
自由なのかも知れない


水面をキラキラと泳ぐ光の天使たちに
挨拶しながら
憧れとも希望ともつかぬ
高揚感に揺られて



もう少し
もう少しで
叶わなかった
水のおもてに手が届く


何の取り得もないまま
ただ黙々と
空を目指した夢が
もうすぐそこにある


そして
大きく深呼吸し
緑の葉を精一杯広げ
命の高まりを吸い込んでいく


水面に葉を漂わせ
その飛び抜けたものが
ゆらゆらと花茎をのばし
薄紅の華を広げていく



この出来事を
見つめていたものは
ただ静寂と自然だけだった



夢は願うもの
夢は叶うもの
夢は自らの手で掴むもの


そう諭すように
うらら
華は自慢げに咲き誇っている


                           なゆた